応用物理学部門
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超流動滴下:連続時間結晶の新たな類似物
超流動ヘリウムでは、液滴がぽたぽたと垂れる時間間隔が一定になることが分かった。これは超流動滴下系が時間結晶性を示すことを示唆している。この規則的な滴下は、カップの底面から垂れ下がる液滴の縁が自由に動くときのみ現れた。縁の自由な運動は粘性のある通常液体では実現しないため、粘性の無い超流動液体でのみ可能な特異な滴下過程と言える。
置換基効果が及ぼす電子環状反応への影響: 分子振動のインパルシブ励起によって誘起される α-フェランドレンの超高速開環
光で環状分子が直線構造に変わる反応は生命や材料機能に重要です。本研究では、α-フェランドレンという香料に用いられる分子において、置換基が開環反応をどう変えるかを明らかにしました。超短光パルスにより分子振動が周期的に励起され、反応は一気に進まず段階的に進行します。置換基の大きさと重さが反応経路を制御することを示しました。
Zhiyi Zhou, 斉田謙一郎、峯岸佑典、武次徹也、関川太郎
40–70 eV 領域の M吸収端 XMCD のためのパラジウム鏡による広帯域位相遅延
磁性材料はデータ記録や次世代電子技術に不可欠です。本研究では、磁性を元素ごとに調べるための特殊な光を、パラジウム鏡で効率よく作れることを示しました。従来より安定で構造も簡単になり、複数の磁性元素を同時に観測できます。新しい磁性材料研究を支える重要な技術です。
Furkan Aksay, 関川太郎
ギャップレス・トポロジカル絶縁体におけるバルク・エッジ対応に関する共同研究
ギャップレス・トポロジカル相におけるバルク・エッジ対応および乱れに関し、インド工科大学の研究者を招聘し、対面にて11日間議論することにより、共同研究を飛躍的に進展させる。また、継続的な共同研究を目的に、今後の応募計画についても議論する。
小布施 秀明(researchmap.jp, scholar.google.de), Soumya Bera, Ranjith R. Kumar, Ishita Modak
JST さくらサイエンスプログラム(Bコース) R7.8.21~R7.8.31
トポロジカル・エッジ状態によるマグノン高次高調波発生
マグノンのトポロジカルエッジ状態を利用した高次高調波に関する理論および実験研究を行う
小布施 秀明(researchmap.jp, scholar.google.de), 廣理 英基
京都大学化学研究所 令和7年度国際共同利用・共同研究 R7.4.1~R8.3.31
フォノニック結晶における超高周波数バレー偏極モードのイメージング
2次元トポロジカルフォノニック結晶中のサブGHz音響波を光学的測定と数値シミュレーションにより調べた。試料は、渦状の位相発展パターンを持つバレー偏極モードを持ち、鏡像関係にある二つの構造の接合面には局在導波路モードが現れる。測定では急峻な曲がりを持つ接合面においても高効率の伝播が観測され、トポロジカルに保護された伝播が実現されている。
ポール オーツカ, 友田 基信, 畑中 大樹, 山口 浩司, 鶴田 健二, 松田 理
物体の沈下運動観測による固体4Heの量子塑性と超固体性の探索
固体ヘリウムは量子固体と呼ばれ、強い量子効果を受けて容易にかつ急速に変形するなど、特異な振る舞いを見せる。本研究では固体ヘリウム中を沈み込む物体の運動を精密に観測することで、固体の中の欠陥に期待される局所的な超流動流(粘性のない液体の流れ)の存否をはじめとする、量子固体特有の性質として期待される新奇な塑性(非可逆な変形)現象と、固体と超流動が共存した超固体性の探究を行う。
科学研究費助成事業 若手研究 R7.4.1~R10.3.31
超流動滴下系が見せる新奇な連続時間結晶性の解明
古典粘性流体の滴下周期はカオスの影響で幅広く分布するのに対し、超流動4He液体の滴下周期は流入量が変化しても整数で指定される一定値に離散化した。この頑強な離散化が連続時間結晶の実現であることを、流入量相図、温度相図、壁形状と次元性、時間領域フォノン励起などの観点から明らかにする。
科学研究費助成事業 基盤研究(B) R7.4.1~R10.3.31
β-(BEDT-TTF)₂I₃における有機分子の配座秩序に依存した光誘起金属-絶縁体相分離
本研究では超高速スイッチングデバイスの基礎となる光誘起相分離(PIPS)に対する有機分子の配座秩序の役割を調査した。その結果、PIPSは部分秩序相では150K以下、均一秩序相では75K以下で起こることがわかった。この結果は、配座秩序がPIPSの発現温度に重要な役割を果たすことを意味しており、デバイスの実用化に重要な室温動作に向けた重要な知見となる。
永田 憲正, 土屋 聡, 中川 紘一, 谷口 弘三, 戸田 泰則