Year: 2025

  • コンクリート中の鉄筋腐食に伴う劣化検出を対象とした教師なし学習によるAI駆動型音響解析

    鉄筋コンクリート構造物の安全性確保には効率的な点検が重要である。本研究は、専門知識に依存しがちな打音検査にAIを適用し、教師なし学習により損傷を評価する手法を提案した。実験結果から、算出された異常指標が鉄筋腐食やひび割れの進行と対応することを示し、初期損傷検知への有効性を確認した。

  • グラフベースネットワークとクラックアテンションを用いたマルチモジュール深層学習によるLiDAR点群からのトンネル覆工ひび割れ抽出

    本研究は、鉄道トンネル覆工のひび割れを効率的に検出するため,LiDAR点群データを直接利用する深層学習手法「PointCrackNet」を提案している。グラフベース畳み込みやアテンション機構を組み合わせることで微細なひび割れを高精度に抽出し,大規模実データによる検証でも既存手法より優れた性能を示しており,トンネル点検の自動化とインフラ維持管理の高度化に貢献する成果である。

  • 鋼材腐食と凍結融解の複合作用がコンクリート中の異形鉄筋の引抜き性状に及ぼす影響

    本研究は、積雪寒冷地のコンクリート構造物に多く生じる鉄筋腐食と凍結融解による複合劣化について、作用順序とひび割れ履歴が鉄筋の付着性能に及ぼす影響を、初めて体系的に検討したものである。特に、先行ひび割れが劣化を著しく加速することが示され、耐久性評価には損傷履歴の考慮が不可欠であることを明らかにした。

  • 3D-RBSMによる3Dプリンティングコンクリートの異方性圧縮挙動及び引抜性能のメソスケール解析

    本研究は、3D剛体バネモデル(RBSM)を用い、鉄筋入り3Dプリンタコンクリートの異方性を分析しました。解析の結果、積層界面の空隙が性能に影響し、積層平行方向の載荷は高い圧縮・付着強度を示す一方、垂直方向は界面の弱部により性能が低下することが判明しました。本成果は、構造最適化に向けた予測枠組みを提供します。

  • パッシブサンプリングとリン酸酸素安定同位体比分析による湖沼底泥からのリン溶出評価

    富栄養湖では湖水中のリン濃度が下がらないことが問題となっている。本研究ではリンがどこから湖水へ供給されているのかを明らかにするため、パッシブサンプラーとリン酸酸素安定同位体比分析を活用する。これにより今までは評価できなかった湖沼底泥からの供給も明らかにする。本研究は湖沼水環境の評価と保全に活用が期待される。

  • 責任ある鉱物調達の実現に向けたEthical Mining(倫理的鉱業)技術の開発~ブロックチェーンがもたらす未来の鉱山開発~

    北海道大学の岡田助教はJSTさくらサイエンスの支援を受け、エチオピア・アクスム大学の教員・学生8名を招へいする。ブロックチェーンとGISを用い、責任ある鉱物調達に向けた透明性確保や環境配慮型資源開発の新たな技術的枠組みを共同研究や演習、成果発表を通じて検討する。

  • AIを利用した活性汚泥の静止画像・動画解析による沈降性評価

    下水処理の最終行程では、汚濁成分の吸着・分解を担う微生物の塊「活性汚泥」の沈降性が重要である。本研究では、経営面、熟練技術者確保といった人材面の問題を抱える地方や発展途上国の処理場の効率化に貢献すべく、安価なデジタル顕微鏡による活性汚泥画像やスマートフォンのカメラ機能による活性汚泥沈降動画をAIも活用して解析する、導入コストの低い沈降性能の診断手法を提案した。

  • ポリマー電解質燃料電池における水素ガスの循環による軽水素濃縮

    重水素分離を行うため、ガス循環システムを備えた高分子電解質燃料電池(PEFC)が用いられた。水素ガスタンクをガス循環ラインに組み込むことで、大幅なH濃縮が達成された。燃料電池の発電中、水素ガス中のH濃縮が進み、高い分離係数が得られた。これは気相化学交換反応による分離効率が向上が考えられた。

  • 基本解近似解法を用いたEringenによる非局所弾性体のSH波動散乱解析

    Eringenによる非局所弾性体は、古典弾性論では取り扱いが困難な現象を解析可能にする力学モデルである。本研究では、メッシュフリー法のひとつである基本解近似解法を用いて、非局所弾性体に対する波動散乱解析を行った。非局所弾性体に特有な表面力作用素の解析表現を導出し、超音波非破壊検査において重要となる散乱特性を評価した。

  • 純ヘリウム直流グロー放電の陽極表面上で観測された自己組織化発光パターン形成

    大気圧直流グロー放電生成時、陽極表面に観測される発光の自己組織化現象のメカニズム解明のために純He環境で気圧を変化させながら発光パターンを調査した。その結果発光パターンは圧力pと電極間距離dの積pdが高いときに現れることがわかった。今後、数学分野で自己組織化現象を得る手法である反応拡散系へ繋げていく。